放蕩記

科学ライター荒舩良孝の日記

シンポジウムで考えたこと

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少し前の話になるが、4月28日におこなわれた「研究成果を なぜ発表し どのように伝えるか」というシンポジウムを聞きにいった。

私も一応、科学を伝える人たちの末席に座らせてもらっている身なので、勉強がてらいってみたのだ。

 

科学広報や科学ジャーナリズムに携わっている人、これまでの自分の経験や知識などを活用し、科学のあり方を考え、科学者などの実情を広く知ってもらおうと活動している人など、多彩な顔ぶれが集まって、それぞれの立場からいろいろな話を聞くことができた。

 

その中でも特に印象に残ったのは、早稲田大学教授の岩崎秀雄さんの話。彼は研究者でもあり、アーティストでもあるので、科学研究の成果を論文という形だけでなく、作品という形にして発表していた。論文という、いわゆる科学研究者の枠組みにとらわれずに、自分の思うように自己表現しているように聞こえた。

 

私は科学ライターという仕事をしている。

科学は日常生活と大きく関わっている側面がある。

科学は縁遠いなという人たちにわかりやすく科学のことを伝えたり、研究者がなぜそんなに一生懸命研究に取り組んでいるのかということを扱っていきたいなと思って活動をしてきている。

が、いろいろな意味で中途半端な感じが常につきまとっている。

 

本当に自分が何を伝えたり、表現したいのかということは常に考えているが、なかなか見えずに、手探りでやっているというのが現状だ。こんな状態でも仕事はあるし、頼りにしてくれる人がいるということはとてもありがたい。

 

自分は何を表現していきたいのか。何を世の中に問いかけていきたいのか。

この問いの答えを見つけられる日は来るのだろうかと思いながらも、今日も原稿を書く日々なのだ。